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保険に勧誘されたら。入るとき気を付けたいポイント3つ!

意外と頼りになる! 公的保険

こんにちは。ファイナンシャルプランナーの高山一恵です。生きていくうえで絶対欠かせないのが、お金。毎日使っている身近なものだけど、意外に知らないことも多いのでは。この連載では、きちんと生活するためにぜひ知っておきたい「お金の超キホン」を、わかりやすくご紹介します。今回のテーマは「保険」。様々な場面で勧誘を受けたりすると思いますが、どう考えたらいいのか、いまひとつわからない、という人も少なくないのでは。独身時代を中心に、保険の選び方のポイントをお伝えします!


桜子:新入社員
潤 :入社3年目
絢香:入社7年目の29歳

桜子:彩香先輩、最近、保険の勧誘を受ける機会が増えているんですが、いまいちよくわからならくて…。潤先輩は保険に入っていますか?

潤:親が入れてくれてるみたいなんだけど、どんな保険なのかはよくわかってないんだよ(笑)。

絢香:民間の保険を検討する前に、私たちが加入している「公的保険」でどれくらいの保障がカバーされるのかを知っておくことが大切よ。

というのも、実は公的保険の保障って意外と手厚いのよ。

桜子:確かに病院に行って治療を受けたり、薬をもらったりしても自己負担は3割ですみますもんね。

絢香:医療費では、その他に「高額療養費制度」というのもあるの知ってる?

これは、1カ月の医療費には自己負担限度額の割合が決められていて、超過分を申請すると還付が受けられる仕組みになっているのよ。この制度を使えば、健康保険が適用になる診療については、1カ月で多くても8万~9万円に抑えることができるの。

例えば、医療費を自己負担分で30万円請求されたとしても、後日請求すれば、高額療養費で約21万円が戻ってくるの。

桜子:そんなに戻ってくるんですか?

絢香:そうなのよ。それに高額療養費の対象となる医療費は入院だけではなく、通院であってもOKだし、同じ健康保険に加入している家族の分を合計することもできるのよ。

高額な医療費がかかりそうだなとあらかじめわかっている場合には、事前に病院に「健康保険限度額適用認定証」を提出しておくと、高額療養費を超える医療費を立て替えることなく、8万~9万円を払うだけですむわよ。

潤:へぇー。それは便利ですね!

それに、僕たちが加入している健康保険の場合、病気やケガで会社を休み、給料がでない場合には、一定の金額が支給される「傷病手当金制度」があるんですよね。いくらくらいもらえるんでしょう?

給与明細の図

絢香:そうそう。よく知ってるわね。これは、1日あたり標準報酬日額の3分の2を休業4日目から最大で1年6カ月間支給される。この制度はフリーランスや自営業者の人が加入する国民健康保険にはない制度なので、私たち会社員は恵まれているのよ。

桜子:そうなんですね! 高額療養費制度や傷病手当金があるなら民間の保険に入る必要性ってなさそうですよね。

高額療養費制度
 1カ月の医療費が上限を超えたら、健康保険から超過分の払い戻しを受けられる制度。
 2015年1月より高額療養費が変更され、所得の少ない人は負担が軽く、多い人は重くなっている。
 年収約370万~770万円なら、1カ月の自己負担限度額は8万7430円。
 高額療養費で気をつけたいのは計算期間。1カ月というのは実際に病院にかかった期間ではなく、暦上の1カ月。医療費の計算は、1日~末日までの1カ月間となっているので注意が必要。もし、25日に入院・手術、退院は翌月10日、といった場合には月ごとに高額療養費を計算するので、負担が重くなる可能性も。入院日を選べるのであれば、同じ月に収まるようにしてもらうのがポイント!

公的保険
 会社員が加入しているのが健康保険 自営業・フリーランスなどが加入しているのが国民健康保険。

健康保険でカバーされないものは?

絢香:そう思うわよね。でも、気をつけなくてはいけないのは健康保険適用外の費用よ。健康保険が使えない費用については全額自己負担になるの。

桜子:どんな費用がありますか?

絢香:代表的なのは差額ベッド代よ。差額を払って入院するくらいだから、さぞや立派な部屋をイメージしてしまうけど実際には普通の4人部屋でも差額ベッド代を払わなければならない病院もあり、入院患者の約半数が差額ベッド代を負担する部屋に入院しているというデータもあるのよ。

潤:この間、僕の友人が仕事に行く途中で急にお腹が痛くなって救急車で運ばれたんですけど、運悪く1日3万円する個室しかあいてなかったみたいで、3日間入院して9万円もかかったと嘆いていましたよ。

桜子:確かに、おじいちゃんが入院したとき、お見舞いにいく時の交通費とか、雑誌や飲み物などの差し入れだとか、お見舞いにきてくれた方へのお礼とか治療費以外にもそれなりにかかったかも。

絢香:そうなのよね。その他に、健康保険が使えない治療方法のなかで費用がかさむのが「先進医療」よ。

先進医療はとくに、がんなどの治療で利用するケースが多いの。例えば、がんの細胞にピンポイントで放射線を照射する陽子線治療というのがあるんだけど、この治療を受けようと思うと260万円ほどかかるの。

潤:えーっ。そんなに! それを全額自分で支払うとなると厳しいなー。

絢香:そうなの。民間の保険は、こうした公的保険ではカバーされない部分をついて考えてそれに備えるイメージで入るといいわよ。

先進医療
 一般的な医療の水準を超えた最先端の技術として厚生労働大臣から承認された医療行為のこと。

では、医療保険に入るときのポイントは?

潤:そうかー。どういうイメージで保険に入ったらいいか、なんとなくわかってきました。僕の場合は結婚しているわけではないから死亡保険はまだ必要ないな。

病気やケガで働けなくなったら困るから、検討するのは医療保険ですね。公的保険でカバーされない部分についてはちゃんと考えなくちゃいけないってことですね。

桜子:医療保険に入るときのポイントってあるんですか?

絢香:私もいろいろ勉強してみたんだけど…。「1日いくらもらえるか」「何歳まで保障してもらえるか」「どんな病気が手厚く保障されるか」といったことがポイントかな。

医療保険に入るときのポイント

  • 1日いくらもらえるか?
    ⇒ 会社員なら保障日額5000円が目安
  • 保障はいつからいつまで続くか?
    ⇒ 入院(通院)の初日から出る保険(免責期間なし)か、5日目から出る保険(免責期間4日)か?、入院限度日数は60日? 120日? 360日? など
  • 何歳まで保障してもらえるか?
    ⇒ 保障期間10年、60歳まで、一生など
  • 保険料をいつまで払うか?
    ⇒ 払込期間10年、60歳まで、一生など
  • どんな病気が手厚く保障されるか?
    ⇒ 女性疾病、がん、脳梗塞、心筋梗塞、先進医療などの特約

桜子:なるほど! 私の場合は、健康保険に加入しているし、ひとまず入院日額5000円、支払い限度日数は60日のシンプルプランでいいですかね。保険料の払込期間は迷うところだな。

潤:うーん。まだ僕たち若いから遠い将来のことってわからないよね。僕が入るとしたら一定期間保障するものにしてあとはそのときの状況にあわせて入る感じかな。このあたりは、ひとそれぞれの考え方がでるのかもね。

絢香:あっ、もうひとつ医療保険に入るときの大切なポイントがあるわ。時代のニーズにあった保障内容かどうかってところが大切なの。

例えば、10年前に発売されている医療保険って入院5日目から支給されるタイプが多いんだけど、今の時代、ちょっとした病気なら4日以内の入院も多く、手術しても日帰り入院という場合も珍しくないのよ。この時代に、5日目から支給される保険に入っていても、結局は保険をもらえない状態で退院ってことになりかねないわ。

潤:親が入ってくれている保険、大丈夫かな…。心配になってきました…。

絢香:それに、昔は病気は入院して治すものという感じだったみたいだけど、今は、仕事をしている人も多いし、主婦でも家事や育児があるから多くの人が病気になっても通院しながら治療しているようなの。

桜子:そうかー。通院して治療を受けることが主流になってきていることを考えると、通院で保険が給付される特約をつけておいた方が活用度が高いってことですね。

絢香:保険は入りっぱなしにしないで、結婚や出産、住宅購入など、何か状況が変わったときごとに見直しをしたり、一定期間ごとに見直しをしたりが大切ね!

◎Kazue先生の今回のポイント◎

給与明細の図
  • 民間の保険に加入する前に、まず公的保険の保障を確認!
  • 差額ベッド代、先進医療など、健康保険でカバーされない費用について、民間の保険でカバーするかどうか考える!
  • 医療保険に入る際には、(1)1日いくらもらえるか? (2)保障はいつからいつまで続くか? (3)何歳まで保障してもらえるか? (4)保険料をいつまで支払うか? (5)どんな病気が手厚く保障されるか? (6)今の医療のニーズに合っているか?のポイントを確認して入る!



  • プロフィール

    給与明細の図

    ファイナンシャルプランナー
    高山一恵さん

    エフピーウーマン所属ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)。2002年にファイナンシャルプランナーの資格を取得したのを機にお金との正しい付き合い方を啓蒙する魅力に目覚める。2005年4月に創業メンバーとして「女性のためのお金の総合クリニック」株式会社エフピーウーマンの設立に参画。現在、同社のメイン講師として全国で講演活動を行い、人生に不可欠なお金の知識を伝えている。雑誌や新聞での連載をはじめ、テレビ・ラジオにも出演するなど精力的に活動し、明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。著書に『35歳までにはぜったい知っておきたい お金のきほん』(アスペクト)など。エフピーウーマンHP、オフィシャルブログ「お金を人生の味方につけるお金の教養レッスン」、「お金の教養が身につく マネーセミナー」(受講料無料)。


    『この記事は、日経ウーマンオンライン(http://wol.nikkeibp.co.jp/)に 2015年6月15日に掲載されたものです。無断複製・転載を禁じます。(C)日経BP社』