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金融リテラシー入門:テーマ「住宅購入」ダイジェスト版

全15章からなる「金融リテラシー入門」の講座のうち、「住宅購入」の授業をダイジェスト版でお届けします。

あこがれのウェディングのお値段は?…「結婚・出産」いくらかかる?

意外と手厚い給付制度。夫婦で育休なら「パパ・ママ育児休業プラス」も

2015年9月15日

こんにちは。ファイナンシャルプランナーの高山一恵です。生きていくうえで絶対欠かせないのが、お金。毎日使っている身近なものだけど、意外に知らないことも多いのでは。この連載では、きちんと生活するためにぜひ知っておきたい「お金の超キホン」を、わかりやすくご紹介します。  今回は、女性にとって人生最大のライフイベント、「結婚・出産」の費用を考えます!

登場人物
桜子:新入社員
潤 :入社3年目
絢香:入社7年目の29歳

桜子:最近、学生時代の友人から結婚式の招待状がきたんですよ。やっぱり結婚って憧れますね。

潤:男はそんなにこだわりないけど、女性は結婚式に対する想い入れはすごいですもんね(笑)。僕もこの間友達の結婚式に呼ばれたけど、すごく豪華な式で、お金かかってるんだろうなって思っちゃいました。(笑)

絢香:結婚式ってひとくちにいってもたくさんの招待客を招いてホテルで盛大に行うスタイルから、親、兄弟、親しい友人だけという、ごく内輪だけの挙式、食事会ですませるスタイルもあれば、レストランや一軒家を借りて行うオリジナルウェディング、ハワイやグアムなどでの海外ウェディング…等々、形はさまざまよね。

桜子:そうかー、選ぶスタイルによって費用も全然違いそうですね。

絢香:そうよ。参考までに結婚情報誌『ゼクシィ』の「結婚トレンド調査2014」によると、結婚にかかる費用の平均は、結納・婚約・新婚旅行を含めた結婚費用の全国平均は、436.2万円。その中でも最も大きな割合を占めるのが挙式と披露宴にかかる費用で、全国平均で333.7万円かかっているそうよ。  そのほか、新婚旅行やお土産代もあるわよね。ハネムーンの平均的な日数は7~8日で、費用は2人分で平均57.9万円程度。さらに、お土産代が平均で11.4万円程度かかっているので、ハネムーンの総額としては約70万円程度になるようよ。

桜子:ちゃんと結婚式を挙げようと思うと結構かかるんですねー。

絢香:さらに、新居への引っ越しの費用なんかもかかってくるから。  ちなみに私の友達の中には、会費制のパーティーだけ、っていう、わりとジミ婚の人もいたわね。「旅行を豪華にしたい」って。結婚する時の費用って、本当に千差万別よね。

潤:どうやって結婚式の費用貯めたらいいんだろう…。

絢香:あれ、もしかして、潤くん、予定があるのー?

潤:い、いや、予定はないんですが…。

絢香:結婚資金にできるお金は、大きく分けて(1)自分達の貯蓄、(2)親からの援助金、(3)ご祝儀の3つがあるの。2人でどれだけのお金が出せるのか、親から援助がある場合はそれがどのくらいかを考えて、プランを立てることになるわね。

桜子:絢香先輩は、どんな結婚式挙げる予定なんですか~。

絢香:私も予定はないわよ。 image

意外と多い、出産でもらえるお金

絢香:私の年齢くらいになると、結婚もそうだけど出産する友達も増えるのよね。

桜子:結婚もそうですけど、出産もお金がかかりそうですよね…。出産ってどれくらいお金がかかるんでしょう?

絢香:分娩入院費の全国平均は、厚生労働省によると49万円だそう。さらに14回程度ある妊婦検診は1回5000円程度かかるようね。そのほかにも、おむつなどのベビーグッズの準備も必要だから、まとまったお金がかかるわね。

潤:けっこうかかりますねー。お金のことを心配して子供を産むのを躊躇するって話もよく聞くけど、わかる気がするなあ。

絢香:それは大丈夫! 公的保険制度を使えば出産費用は賄える可能性が高いの。  まず、加入している「健康保険」や「国民健康保険」からもらえる「出産育児一時金」は42万円。出産する施設や分娩方法にこだわりを持たなければ、多くの場合、分娩費用のほとんどがまかなえるわよ。

桜子:そうなんですね。安心しました!!

絢香:妊婦健診についても、各自治体が定めた補助金が出るの。だから心配しすぎなくても大丈夫よ。  それに私たち会社員が加入している「健康保険」から支給される「出産手当金」というものもあるわよ。働く女性が産休で仕事を休んでいる間、給料が支払われない場合に支給される手当なの。98日間にわたってお給料の3分の2が出るから、仕事を休んでもある程度安心できるわよ。

桜子:いろいろな支援制度があるんですね!

絢香:そうね。制度を知って活用しなくちゃね。

<出産育児一時金>
会社員が加入する健康保険の加入者もしくは被扶養者、もしくは国民健康保険の加入者が妊娠4カ月以上で出産した場合、子ども1人につき42万円支給される。

<出産手当金>
健康保険から、働く女性が出産で仕事を休んでいる間に給料が支払われない場合、生活費を保障するために支給される手当。出産日以前42日から出産日の翌日以降56日までの範囲内で会社を休み給与が払われなかった期間に支払われる。

<妊婦健診助成金>
妊婦健診の費用を助成する制度。基本的には妊婦健診の受診票が14枚もらえ14回まで無料。ただし、自治体によっても助成金はかなり異なるので確認が必要。検査によっては自己負担が発生する可能性もある。

夫婦で育休なら、「パパ・ママ育児休業プラス」

桜子:私は出産後も働き続けたいので、出産手当金というのは、すごくありがたいです。

絢香:他にも働くママを応援する制度としては雇用保険から支給される「育児休業給付金」もあるわよ。  産休に入る前に12カ月間、各月の労働日数が11日を超えている会社員なら、原則子どもが満1歳になるまで取得できるわよ。認可保育園に申し込んだものの空きがなく、市町村から「不承諾」の通知書を受取っている場合には1歳6カ月まで延長できるわよ。

潤:パパは育休はとれないんですか?

絢香:パパもとれるわよ。さらに夫婦で育休をとる場合には特例もあるの(「パパ・ママ育児休業プラス」)。だから夫婦でよく話し合って取得することが大切よ。

桜子:育休の給付金ってどれくらいもらえるんですか?

絢香:従来はお給料の50%が支給されていたんだけど、2014年4月から、育休に入って最初の6カ月間については67%に引き上げられたのよ。

潤:それはうれしいですね!

絢香:他にも育給中の社会保険料は免除になるし、給付金には所得税はかからないというメリットもあるの。

<育児休業給付金>
雇用保険から育児休業中に給付される給付金。 一般被保険者が1歳又は1歳2ヶ月未満の子を養育するために育児休業を取得した場合に産休に入る前の2年間に12カ月間、各月の労働日数が11日を超えている場合取得できる。

<パパ・ママ育児休業プラス>
2010年6月から導入された制度で、両親ともに育児休業をとった場合の特例。父親が育児休暇を取得して育児参加をすることによって従来は1年だった育児休業期間をさらに2カ月延長させることができるというもの。
取得するための要件は

  • 育児休業を取得しようとする父親の配偶者(母親自身)が、子どもの1歳の誕生日の前日よりも以前に育児休業を取得していること。
  • 父親の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること。
  • 父親の育児休業開始予定日が、母親が取得している育児休業の初日以降であること。

桜子:出産っていうとすごくお金がかかるイメージだったけど、給付金などを上手に活用できればそんなに心配しなくても大丈夫そうですね!

絢香:そうね。ただ、子どもはその後の教育費などが大きいから、そこを考えなくちゃね。学校は公立か私立か? 習い事をさせるか? 塾に行かせるか?…といった様々な選択肢があるから、「子供が大学を出るまでいくらかかるか」は本当に幅があるわよね。

桜子:そうですよね。将来子どもができたらできれば公立にいってもらいたいな。幼稚園から大学までオール公立の場合でどれくらいのお金がかかるんですかね?

絢香:オール公立の場合で子ども1人あたり1000万円程度といわれているわよ。

潤:えーっ! そんなにかかるんですか? オール公立でそんなにかかるんだったらオール私立だったらどれくらいかかるんですかね?

絢香:2000万円くらいといわれているわ。教育費がどのくらいかかるかは、どこの段階から私立に行かせるのかが影響すると思うの。私立に行くとなるとそれに伴って受験のための塾に行かせたり、お稽古に行かせたりするでしょ。

潤:塾かー…。僕は中学受験するために小学校4年生の時から塾に行ったんですけど、後から親に聞いたらすごいお金がかかったっていってましたからね。

絢香:そうよ、大手の塾に小学校4年生~6年生まで通うとすると総額で150万円~200万円くらいかかるそうよ。

潤:ひゃー。そう思うと親ってすごいんだなー。国から補助金とかってもらえるんですかね?

絢香:国から「児童手当」というものが支給されていて、所得制限などもあるけど、基本的に0歳~3歳未満は1万5000円、3歳~小学校終了前は1万円(第1子、第2子)、1万5000円(第3子)、中学生は1万円が支給されるわよ。

桜子:へえー。育児にも手当があるんですね!でも、教育費用ってすごくかかるからコツコツお金を貯めておかないといけないですね。

絢香:そうねー。教育費を貯めるための代表的な商品としては「学資保険」があるわね。学資保険は親が契約者になって進学の時期に合わせて満期金を受け取る仕組みなの。親だけでなく、祖父母が契約者になる場合もあるわね。一般的に大学入学時の18歳までに300万円程度貯めることが目標といわれているわよ。

桜子:では、学資保険じゃなくて普通に銀行で積立とかでもいい感じがしますが…。

絢香:もちろんそれでもいいんだけど、保険で準備することの良さは「保障がついている」ところなの。契約者にもしものことがあって万が一収入がストップしてしまったら、教育費どころじゃないでわよね。でも、保険ならもしもの時にも保険金という形で教育費を準備することができるところがメリットといえるわよ。

桜子:なるほど~。子どもは2人ほしいなーと思っているんですが、お金のことも考えないといけませんね。

◎Kazue先生の今回のポイント◎

給与明細の図
  • 結婚費用は、(1)自分達の貯蓄、(2)親からの援助金、(3)ご祝儀、の3つで準備する!
  • 妊婦健診、分娩費用は公的制度を活用すれば、かなりの費用がまかなえる!
  • 働くママ・パパには育児休業給付金もあり!夫婦で話し合って上手に活用しよう!



  • プロフィール

    給与明細の図

    ファイナンシャルプランナー
    高山一恵さん

    エフピーウーマン所属ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)。2002年にファイナンシャルプランナーの資格を取得したのを機にお金との正しい付き合い方を啓蒙する魅力に目覚める。2005年4月に創業メンバーとして「女性のためのお金の総合クリニック」株式会社エフピーウーマンの設立に参画。現在、同社のメイン講師として全国で講演活動を行い、人生に不可欠なお金の知識を伝えている。雑誌や新聞での連載をはじめ、テレビ・ラジオにも出演するなど精力的に活動し、明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。著書に『35歳までにはぜったい知っておきたい お金のきほん』(アスペクト)など。エフピーウーマンHP、オフィシャルブログ「お金を人生の味方につけるお金の教養レッスン」、「お金の教養が身につく マネーセミナー」(受講料無料)。