ここが違う! 貯まる人のボーナスの使い方
「貯蓄」と「支払い」がポイント! ボーナスをうまく使うと貯まる
あなたのボーナスは、もう出ましたか?
実は、ボーナスのコントロール力が、将来の貯蓄力に大きな影響をもたらします。実は、貯蓄上手な人に共通していることが「ボーナスの使い方」なのです。
その使い方は、大きく「貯蓄」と「支払い」の2つです。
ただ、お金を預けるだけが「貯蓄」ではない
まずは、「貯蓄」から説明しましょう。貯蓄上手な人は、ボーナスを「これは結婚資金用」「これはバーゲンの買い物用」「これは旅行用」「これは老後資金用」というように、目的別に積み立てています。
たとえばこの夏、旅行を計画している人も多いのではないでしょうか。
そんなあなたの味方が、旅行会社や航空会社が扱っている「旅行券」です。
旅行券の多くは、毎月決まった金額を積み立てるもので、積立期間の終了時には積み立てたよりも多い金額を、旅行券で受け取ります。
毎月積立の利率は、約1〜3%程ですが、一括支払いなら約2〜3%とオトク度が高くなるので、その分お得に貯めることができます。ということは、今年もらったボーナスを一括支払いで貯めたら、来年の夏はお得に旅行に行けますね。
お得に行くだけではなく、あらかじめ決めた予算の範囲内で旅行に行った方が、気持ち的にも、「楽しかった!来年も行くために頑張ろう!」と思えるに違いありません。計画的に準備を進めることでちょっとしたお土産分のお金が浮くのです。来年のために検討してみてくださいね。
なお、普通預金の金利が0.0008%(税引き後)であるのに対して、旅行券積立は1〜2%のお得と言っても、無理な積み立ては厳禁です。旅行券積立は、途中で積立をやめた場合でも、現金は戻ってきません。そのまま、将来旅行するときまで旅行会社にそのお金を預けておく仕組みが一般的なので、予算より少ない金額を目安に行いましょう。
一括払い旅行券積立の10万円を1年後に受け取る場合の例

さて、貯蓄上手さんのもう一つのコツは「支払い」です。
ポイントは、月払いではなく、ボーナスを活用した年払いにすること。
せっかく払うなら年払いで少しでも安く!
たとえば、生命保険料。月払いにしている人は多いのですが、実は、年払いのほうがお得です。どれぐらいお得になるのかは、保険に加入した時期や商品、保険会社によって異なりますが、一つの例として、25歳の女性が、今、保険に加入した場合のオトク度の例をご紹介しましょう。

このように、月払いよりも年払いの方が2%程度、お得です。月払いを年払いに変更することはできるので、気が付いたときに手続きをしておきましょう(実際の引き落としが変更になるのは、申し込んだ保険が成立した月としている保険会社が主流のため、ボーナス月に指定はできません)。
また、民間保険料だけではなく、自営業者や家事手伝いの方が支払う国民年金保険料も2年分一括前払いで支払うと安くなります。
平成28年度の国民年金保険料は1カ月あたり1万6260円、平成29年度は1万6490円で、これを毎月納めると合計39万3000円です。でも、2年分を一括して先に納めると1万5690円の割引になり、約4%分安くなるのです。(2年前納の申し込み締め切りは2月末です)
このように、結局支払うお金ならば、一度に支払った方がお得になるものがあります。あなたが毎月支払っているもので、活用できるものがあれば、ボーナスを活用することを考えてみてください
クレジット
文/前野彩
プロフィール
前野彩(まえの・あや)
Cras代表取締役。FPオフィス will代表。大阪在住のファイナンシャル・プランナー。中学校・高校の保健室の先生を経て、結婚、退職、住宅購入、加入保険会社の破たんを経てFPに転身。自らの住宅ローンで800万円、生命保険で1000万円の見直しを行った実績を持つ。「お金の安心と可能性をかたちにし、心の自立と輝く明日をつくる」ことを理念に「知れば得トク、知らなきゃソンするお金の知恵」を働く女性や子育て世帯に伝えている。講演やテレビでも活躍中。著書多数。新著に『本気で家計を変えたいあなたへ —書き込む“お金のワークブック”』(日本経済新聞出版社)、『家計のプロ直伝!ふるさと納税新活用術』(マキノ出版)、『危うくムダなお金を払うところでした』(産経新聞出版)。