みんなの金融リテラシー

「キャッシュレス社会を考える」 実践授業

高校1年生向けに行われた、「キャッシュレス社会を考える」の授業の様子を紹介します。

「貯まる女」はどっち? 帰宅後にバッグの中身を出す or 出さない

必要 or 不必要が一目瞭然になる、毎日の心がけとは

こんにちは。ファイナンシャル・プランナー 花輪陽子です。

毎日の生活習慣のなかでお金が貯まりやすい体質か貯まりにくい体質かを見分けていきましょう。

「あなたは外出先から帰ったとき、バッグの中身を全部出しますか? それとも出さずにそのまま置いておきますか?」。一見お金と関係ないことのように思えますが、実はバッグの中も「その人のお金貯まり度」がはっきり分かる場所なのです。

1日を終えるとバッグの中は汚れたハンカチ、使ったティッシュ、駅ナカでもらったDMなどでいっぱいに。バッグの中に色んな物がごちゃごちゃと入ったままだと、必要な物がパッと取り出せませんし、あるのかないのかさえも分かりません。これではバッグの中にあることを忘れて同じ物を買ってしまいかねません。

コンビニに行く度にボールペンやハンドクリームなどを買ってしまうという人も多いのではないでしょうか。たとえ数百円でも塵も積もれば山となります。お金がヒラヒラと飛んで行って、使いかけのボールペンやハンドクリームが自宅に溢れかえることに。これでは悲しいですね。

無駄を減らしてスリム化! 低コストで自分を高める習慣づくりを

反対に毎晩バッグの中身を取り出す人は新しいハンカチや十分な量のティッシュを準備することもできますし、忘れ物も少なくなるでしょう。忘れ物が減れば余計なところにお金を使う必要もないですし、人からも信頼されます。

例えば、飲み物を洋服にこぼしてしまって困っている人にさっとハンカチやティッシュを取り出してお渡しできると女子力も上がります。綺麗なハンカチとティッシュをバッグに入れておくだけですから、非常に低コストに自分を高めることができるのです。

また、バッグに必要な物だけを入れて、バッグを綺麗に保つことでバッグ自身の寿命も延びます。毎日、バッグの中身を入れ替える時についでにバッグの汚れなどもチェックできるとさらによいでしょう。

バッグを整理整頓できるようになると、財布、冷蔵庫、クローゼットなど他のところも綺麗に保ちたくなるようになるものです。すべてに共通しますが、整理整頓をして必要な物と不要な物に分けることがとにかく大切なのです。

例えば、お財布の中からレシートやしばらく使わないショップカードを抜けば今いくら入っているのか一目瞭然になります。現在、お財布に入っている金額を常に把握しておけば、「明日はいくら必要で、明後日はいくらだから今週いっぱいは手持ちでやりくりできそう」「そろそろ1週間分を引き出そう」などといったお金を使うリズムができてきます。

冷蔵庫も典型的にお金の無駄が出やすいところです。整理整頓をして、賞味期限が切れそうな物は手前に出しておくなどをしておくと食材を無駄にすることがありません。また、冷蔵庫に物を詰め込み過ぎると余分に電気代がかかってしまいます。省エネルギーセンターの調べによると、冷蔵庫に物を詰め込みすぎない(詰め込んだ場合と、半分にした場合との比較)ことで年間約960円の電気代の節約になるそうです。

また、無駄な開閉はしない(年230円の節約)、開けている時間を短く(年130円の節約)、設定温度は適切にする(年1360円の節約)ことによっても節約ができるのですが、物を詰め過ぎずに整理整頓をしたほうがこれらのこともやりやすいでしょう。

普段のちょっとした心がけが節約体質を生み、お金を自然と貯めていくことができます。最初は面倒に思えるかもしれませんが、習慣にすることで貯まる女に近づくことができるのです。

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花輪陽子 

プロフィール

花輪陽子(はなわ ようこ)

1978年三重県生まれ。ファイナンシャルプランナー(FP)。元外資系の投資銀行勤務。OL時代にはまったショッピングによりカードローンの残高は最大200万円に。失業も経験する。お金にコンプレックスがあり、勉強してFPになる。現在は雑誌・新聞・テレビ・ラジオ出演や全国講演などを精力的に行っている。著書に『お金持ちになる女はどっち?』(PHP)、『貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)など。/Twitter:@yokohanawa/公式サイト:yokohanawa.com