みんなの金融リテラシー

「キャッシュレス社会を考える」 実践授業

高校1年生向けに行われた、「キャッシュレス社会を考える」の授業の様子を紹介します。

春から始めたい、三日坊主にならない家計簿

「フィンテック」の活用で入力や分析が圧倒的にラクになる

こんにちは。ファイナンシャル・プランナー 花輪陽子です。

「フィンテック」というキーワードを聞いたことがあるでしょうか。フィンテックとはITを使って金融サービスを生み出したりすることなどを指す造語です。実は世界的にフィンテックへの投資額が増えており、家計管理や決済など私達のお金に関係する生活を大きく変えようとしています。

そのなかでも今回は家計管理サービスを例に挙げたいと思います。昔は紙の家計簿に手書きで付けるしか方法がありませんでした。しかし、フィンテックによって家計管理の方法がガラリと変わろうとしています。家計管理サービスを利用すれば、銀行、クレジットカード、ショッピングサイトの情報を自動取得して家計管理をある程度自動的に行ってくれるのです。

家計簿が三日坊主で続かないのは入力に手間暇がかかるからという理由も多いものです。また、入力に疲れてしまって付けるだけになっている場合もよくありますね。実は家計簿は付けた後のチェックと分析・改善が一番大切になります。

一番手間暇がかかる作業をIT技術によって自動化できれば、次のステップにすぐに進むことができます。データから自分にとってのウィークポイントを探し出し、そこを重点的に改善していくこともできるのです。

家計管理サービスの選び方と活用ポイント

例えば、月に10万円もネット通販サイトで買い物をしていることが分かれば、そのサイトを見る時間を制限するなどの対策をすぐに立てることもできますね。紙の家計簿に比べると家計管理サービスを利用するほうがデータの集計などもずっと楽になります。

フィンテックの技術を使った便利な家計管理サービスですが、サービス提供企業は、会員数、評判、資本提携している企業(大手金融機関か)などを見て選ぶことをおすすめします。しっかりとした母体のサービスは、具体的には次の三つが挙げられます。

マネーフォワード

ユーザー数、提携金融機関数などが多く使い勝手もよい

マネーツリー

画面のデザインがシンプルで見やすく、カードの引き落とし日などの通知機能も便利

Zaim

金融機関からの自動取り込みの他にも手入力やレシートを写真で読み込んで入力をすることもしやすい

金融機関からのデータを自動取り込みができるなど、基本的な機能はどのサービスも同じです。使い勝手の違いなどで選ぶとよいでしょう。

自動の家計管理サービスの場合、セキュリティなどが気になる人も多いかもしれません。各社セキュリティ対策をしていますが、やはり自分でもパスワードの管理などをしっかりとする必要があるでしょう。

特に銀行、証券、クレジットカードなどお金関係のパスワードは他のウェブサイトやSNSとは別のパスワードを作って厳重に管理するようにしましょう。加えてこまめに取引情報をチェックして不正な動きがないかを確認することも重要になります。

フィンテックの活用で私達のマネーライフはより快適になっていきそうですが、同時にしっかりと管理を行うことも必要になります。

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花輪陽子 

プロフィール

花輪陽子(はなわ ようこ)

1978年三重県生まれ。ファイナンシャルプランナー(FP)。元外資系の投資銀行勤務。OL時代にはまったショッピングによりカードローンの残高は最大200万円に。失業も経験する。お金にコンプレックスがあり、勉強してFPになる。現在は雑誌・新聞・テレビ・ラジオ出演や全国講演などを精力的に行っている。著書に『お金持ちになる女はどっち?』(PHP)、『貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)など。/Twitter:@yokohanawa/公式サイト:yokohanawa.com