みんなの金融リテラシー

金融リテラシー入門:テーマ「住宅購入」ダイジェスト版

全15章からなる「金融リテラシー入門」の講座のうち、「住宅購入」の授業をダイジェスト版でお届けします。

妊娠すると、仕事とお金はどうなる?

妊娠中にかかるお金は20〜30万円、収支のバランスに注意を

2014年4月15日

お陰様でこの連載も4年目になります。私にとってこの1年間での大きな変化は妊娠を経験したことです。今回は、妊娠中の仕事とお金について体験談も交えながらお伝えしたいと思います。

映画『銀の匙Sliver Spoon』の原作者で漫画家の荒川弘さんは妊娠中・出産後も一度も休載することなく『鋼の錬金術師』の連載を継続され、その後も第二子、第三子もご出産されたそうです。私はこのエピソードに強い感銘を受け、妊娠・出産をしても仕事を続けたいと思いました。

お金という観点からも出産退職をすると不利になります。正社員の人が出産後退職をして8年間のブランクを経てパート・アルバイトとして再就職する場合、生涯賃金を約2億3000万円失うというデータもあります(「国民生活白書」2005(平成17)年版)。妊娠・出産に伴う体や心の変化は人それぞれ違うために無理は禁物ですが、可能な限り仕事を継続させたいものです。

妊娠中、心にとめておきたい出費

さて、妊娠中に気をつけたいお金として次の3つがあります。医療費の自己負担として5~15万円程度、特別費(マタニティー・ベビーアイテム)として15万円程度、その他に毎月の収支の変化(収入減、支出増)があります。

一番大きいのは医療費です。妊婦健診を14回程度(妊娠初期から妊娠23週までは4週間に1回、妊娠24週から妊娠35週までは2週間に1回、妊娠36週から出産まで週1回程度)受けることになります。医療機関にもよりますが、費用は1回6000円~1万円程度(妊娠初期の血液検査は2万円以上かかる場合も)です。

その他、妊娠しているかの検査、初診料、紹介状(転院する場合)などもかかります。トラブルもなく、順調な場合の妊娠中の医療費はざっくりと15万円程度に。ただし、多胎妊娠や分娩予定日が遅れるなどで健診の回数が増える場合は、負担が増えるのでご注意ください。

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トラブルが起こると、思わぬ自己負担増も

妊婦健診は高額になりますが、自治体からの助成を使うことができます。助成額は自治体で差はありますが、全国平均は9万6699円(厚生労働省 妊婦健康診査の公費負担の状況について、2012年4月1日現在)です。自己負担額はざっくりと5万円前後と考えるとよいでしょう。

ただし、妊娠にはトラブルがつきものですし、初産だと分からないことも多いので、実際には医療費がもっとかかることも。私も定期健診以外にトラブルで通院したり、破水検査を受けたりと、自己負担額は10万円以上になりました。トラブルがある場合は保険適用となることが一般的です(正常妊娠・正常分娩は病気ではないため健康保険の対象にはなりません)が、別途通院や入院費用がかかります。

特別費(マタニティー・ベビーアイテム)としては15万円程度を目安にするとよいです。利用期間が短いマタニティーアイテムですが、働いていると最低限の洋服、ストッキング・タイツやレギンス、下着やパジャマが必要ですから、3万円程度と考えましょう。洋服は腹囲100cm程度あり、授乳もできるタイプだと妊娠後期や産後まで活用できます。

私も持っていますが、無印良品のマタニティー服はコスパもよく妊婦さんに評判がよいです。ベビーグッズは、値段の幅がありますが、肌着や洋服、寝具、抱っこ紐、ベビーカー、チャイルドシートなど最低限の物をそろえると12万円程度になります。

その他、毎月の収支が崩れることもあるのでご注意を。妊娠初期はつわりが、妊娠後期はお腹が張りやすく無理が利きません。残業代が減ったり、会社をお休みして収入が減ったりということも考えられます。また、自宅にいる時間が長くなると、水道・光熱費が増え、タクシーを利用する機会が増えれば交通費がかさむことに。先ほどの医療費も月換算で1万円程度(多い月は2万円程度)予定をしておきたいものです。

妊娠中は意外とお金がかかるものです。ただでさえ不安が膨らむ時期ですから、しっかりと貯金をしてのぞむようにしたいですね。次回は「出産にかかるお金」についてお伝えします。

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